アカガメ大行進

店長、地球が、燃えているんです いやあれは、アカガメたちの 大行進だ

パンダエクスプレス日本再上陸。亀の舌をもつ僕が、全品評価してみた

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「上陸」という言葉に、日本人は弱い。

なぜなら、台風が上陸し、ゴジラが上陸し、海外のものが初上陸するからだ。

アカガメ

 

 

僕も「上陸」のマジックに魅せられた凡庸なカメでした。渋谷に『タコベル』が上陸して100人が列をなしていたころ、僕は『タコベル』のタコスを、トリュフやフォアグラと並ぶなにかかと勘違いしていました。

 

 

 

しかしアメリカに留学し、学生の食堂みたいなものに入ってみると、『タコベル』は、僕とおなじ凡庸なものとしてそこに佇んでいました。魔法は一瞬にして解け、タコスはただのタコスになりました。

 

 

 

さて。

『パンダエクスプレス』が日本に再上陸します。

 

 

 

 

「パンダエクスプレス!?なんかはやそうで美味そうじゃない?」

「大人気中華料理チェーンらしいよ」

「とりあえず行ってみなくっちゃ!」

 

 

 

あの、大学の食堂に『パンダエクスプレス』も佇んでいるのですが。

 

そこで、亀の舌をもつアカガメは、1週間かけて『パンダエクスプレス』を全品食してきました。誰もが「上陸」のマジックにかからないように、お世辞抜きでパンダエクスプレスと向き合いました。

 

今回は日本再「上陸」に備え、『パンダエクスプレス』とは何か、注文の仕組みや値段にふれ、それからメニューの感想をそれぞれ述べていきます。

 

 

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『パンダエクスプレス』とは?

概要

『パンダエクスプレス』は、アメリカで店舗数ナンバーワンの中華料理チェーンです。

 

 

「パンデックス」との愛称があるらしいのですが、僕は「パンダ」と呼んでいます。日本人となら「カンカン」「ランラン」で通じるかもしれません。ショッピングモールのフードコートや、大学のキャンパスに展開しています。

 

 

 

特徴的なアイコン

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(出典:全米No.1店舗数のアメリカンチャイニーズが日本進出! 力の源HD、Panda Restaurant Group,Inc.と合弁事業開始|株式会社力の源ホールディングスのプレスリリース

 

パンダのかわいいアイコンが特徴的です。このアイコンに『パンダエクスプレス』のすべてが詰まっています。

 

 

中国人留学生に「本場の中華料理ってパンダエクスプレスみたいな感じなの?」と聞いたのですが、彼らは口をそろえていいました。

 

 

「あれはアメリカンチャイニーズだよ〜」

 

 

 そう、『パンダエクスプレス』とはアメリカナイズドされた中華料理店なのです。味付けも本場からしたらアメリカンです。

 

 

また、アイコンからも分かるように、英語と中華料理を組みあわせたことで、従来の中華料理店にはないカジュアルさを生みだしています。ブランディングで一線を画しているのも人気たるゆえんです。

 

 

 

人気のほどは?

平日昼間の学生食堂は、テーブルを確保できないほど人が溢れかえります。そのなかでも、『パンダエクスプレス』は、列が途切れることなく並んでいます。

 

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こんな感じです。

わかりにくいですが、三列くらい折り返しで並んでいます。混み具合でいえば『タコベル』と1、2を争いますね。僕も留学したての頃から、食堂にいけば『パンダ』を食べていました。やっぱり、アイコンの安心感がちがうんですよね。

 

 

 

注文の仕組み

サイズ

まず、大きく分けて3つのサイズがあります。

 

ボウル (Bowl) 1Entree + 1side

プレート (Plate) 2Entrees + 1side

大プレート (Bigger Plate) 3Entrees + 1side

 

基本的に真んなかの「プレート」で僕はお腹いっぱいになります。

大プレートは頼んだことがありません。

 

また、アラカルトボックスというのもあり、Entreeまたはside単体から頼むこともできます。

 

 

Entreeとsideとは?

ふつう、sideと聞くと、ご飯に対するおかずを思い浮かべますが、逆です。

sideは、ご飯か麺かを選択することができます。

 

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(出典:www.pandaexpress.com)

 

左上から順に、

Chow mein (焼きそばのような)

Fried rice (チャーハンのような)

Mixed vegetables (野菜です、ヘルシーそうです)

White steamed rice(白米ですね)

Brown steamed rice (玄米です)

 

基本、この5つのsideからひとつを選択します。また、白米とミックスベジタブルのハーフハーフ、なんてことも頼めばできます。

 

 

 

 

 

Entreeは、主要料理のこと、いわゆるおかずです。

 

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(出典: www.pandaexpress.com

 

左上から、

Orange chicken (オレンジチキン)

General TSO's chicken (TSOチキンって呼ばれるんですかね)

String bean chicken breast (ストリングビーンチキンブレスト、と呼ばせそうです)

Sweetfire chicken breast (スイートファイアチキンブレスト)

Kung pao chicken (カンパオチキン)

Mushroom chicken (マッシュルームチキン)

Black pepper chicken (ブラックペッパーチキン)

Grilled teriyaki chicken (グリルドテリヤキチキン)

Broccoli beef (ブロッコリービーフ)

Shanghai angus steak (シャンハイアンガスステーキ)

Beijing beef (ベイジンビーフか、はたまた北京ビーフか…)

Honey walnut shrimp (ハニーウォルナッツシュリンプ)

Eggplant tofu (エッグプラントトーフ、ナスと豆腐です)

 

僕の大学の食堂にはこのうち、グリルドテリヤキチキンとシャンハイアンガスステーキがありません。また、TSOチキンは、8月頃からの新商品なので、メニューの入れ替わりがときどき行われるようです。

 

 

ボウルサイズを注文しようとすれば、 このなかから1品。

プレートサイズなら、おかず2品です。

  

 

 

その他のサイドメニュー

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(出典: www.pandaexpress.com)

 

ほかにも、サイドメニューとして、餃子や春巻き、のようなものがありますが、僕は手をだしたことがありません。今回は割愛で。追加で加筆します。

 

 

 

フォーチュンクッキー

『パンダ』のうまいところはブランディングなんですよね。

レジで会計をするときに、フォーチュンクッキーが必ず添えられます。

 

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こんなんです。ずっとAKBの世界にしかないものだと思っていました。

 

パリッとやってみると、なかに紙が入っています。

 

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紙にはちょっとした占いが書いてあります。一例で3枚並べます。

 

 

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別に大したことは書かれていないのですが、『パンダ』といえばフォーチュンクッキーのようなイメージがついています。こういうとこ、あなどれません。

 

 

もちろんフォーチュンクッキーは、クッキーの味がします。

 

 

 

値段のほうは?

アメリカと日本では値段は変わる可能性が高いので、参考程度に。

 

ボウル(1ご飯1おかず)は、6.00$

プレート(1ご飯2おかず)は、 7.00$

大プレート(1ご飯3おかず)は、8.50$

ここに税が追加されます。

ボウル600円〜650円になりそうですかね。

 

メニューの引用画像元はPanda Expressのサイトからです。詳しくはパンダエクスプレスのサイトに載っているので、興味があったら是非みてください。

 

www.pandaexpress.com

 

さてさて、実食していきましょう。

 

 

 

 

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パンダエクスプレス、いざ実食。

side全品、Entree全品を神の下の公正な天秤にかけようと、亀の舌をもつ僕は、混雑もおかまいなく行列にならびました。

 

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日本のスマホ独特のシャッター音を響かせながら、パンダエクスプレスの外観をとっているあたり、「こいつ頭おかしいんじゃないの?」と何人かの外国人に思われたにちがいありません。

 

 

 

1日目

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Entreeは左から、ブロッコリービーフ、TSOチキン。sideはフライドライスです。

 

フライドライス

フライドライスは細かく刻んだにんじんに、ねぎやグリンピースや卵が加わって、あざやかな色彩をなしている。それを口にもっていくと、見た目ほどには味がつけられていないことに気づく。甘辛く衣を濡らしたTSOチキンに箸をつけてみて、そこで僕ははじめて"side"の意味を知るのだ。フライドライスはEntreeを惹きたて、塩梅に絶妙な均衡をもたらす。そこには、水鳥が舞い降りたときに泛ぶ水面の波紋のような、調和のやさしさがある。

 

 

以上が亀の舌の批評でしたが、こんなことやってるときりがありません。

ざっくり言うと味が薄めのチャーハンでした。

 

 

TSOチキン

TSOチキンには、いんげん、パプリカ、たまねぎが入っています。味はですね、エビチリの揚げたチキン版です。甘辛です。

 

 

揚げたチキンをなにかのソースにからめた Entreeはいろいろあるので、そことの差別化がはっきりしていませんでしたね。

 

 

ブロッコリービーフ

ブロッコリービーフは、ビーフ!というほどビーフの味はしませんが、ブロッコリーが美味しく感じます。味付けも濃くなくてヘルシーなので、どのsideにも、Entreeにも合わせられるのが魅力的です。

 

 

2日目

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Entreeは左から、ブラックペッパーチキン、オレンジチキン。

sideは、ホワイトライスと、ミックスベジタブルのハーフ&ハーフです。

 

 

 オレンジチキン

『パンダエクスプレス』の看板メニューといわれるオレンジチキンを頼んでみる。揚げたチキンには、褐色の餡がねっとりとまとわりついていて、全身に光を湛えている。口に運ぶと、甘い、酸っぱいが僕の舌を籠絡させたのち、辛いがじわじわと広がってくる。ひとつのチキンのなかに、多彩な天稟がせめぎ合っているのを、僕はこの眼でみたのだ。

 

ざっくり言うと鳥の甘酢揚げです。

甘酸っぱいのですが、あとからじわじわと辛さがくるのが特徴的。ご飯がすすみます。

 

 

ブラックペッパーチキン

ブラックペッパーチキンは、全Entreeのなかでも、屈指の美味しさでした(個人的な感想)。焼肉の塩だれを、チキン、たまねぎ、セロリと和えた感じです。こちらもご飯がすすみます。

 

 

ただ、セロリが苦手な人を気をつけましょう。

 

 

 

白米&ミックスベジタブル

野菜とご飯をハーフ&ハーフで頼めるのは、栄養バランス、カロリー的にも小食の方、健康志向の方には嬉しいものです。ズッキーニ、ブロッコリー、キャベツ、にんじん、いんげんが入っていました。ブラックペッパーチキンのたれをつけて食べると美味しいです。

 

 

 

3日目

 

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Entreeは左から、マッシュルームチキン、ストリングビーンチキンブレスト。

sideはブラウンライスです。

 

 

マッシュルームチキン

マッシュルームチキンは、僕の好物だ。チキンと、ズッキーニと、マッシュルームが、濃いめの醤油ソースにひたされ、しっかりと味付けされている。それでも、個々が本来の味をうしなうことはない。ズッキーニには野菜らしい若々しさが、マッシュルームには落ち着きはらった滋養が、チキンには鶏肉のしなやかさがあって、それぞれが打ち消しあうことなく、しっかりと共存している。わずか数センチメートルの壁に囲いこまれた彼らの共同体に、僕たちは理想郷をみることができるだろう。

 

 

味のバランスがよい。2年連続トリプルスリーをとった山田哲人選手みたいです。 

 

 

ストリングビーンブレスト

隣のストリングビーンブレストですが、さやいんげん、たまねぎ、チキンで構成されています。チキンおおいですね。さやいんげんが、醤油の濃い味つけを打ち消してくれます。ブロッコリービーフに似ていますが、僕はブロッコリーのほうが好きかな(小言)。

 

 

あと、ブラウンライスは柔らかすぎて好きじゃありませんでした。お米の問題もあると思うので、日本だとまた違うとは思いますが。

 

 

 

4日目

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Entreeは左から、エッグプラントトーフ、ベイジンビーフ。

sideは麺(チャオメン)です。

 

 

チャオメン

僕は、幾度となく麺を避けてきた。中華料理にはご飯を合わせると教えこまれて育ってきたからだ。たまねぎと、キャベツ、そしてセロリが申し分程度に入っていて、それは縁日の屋台ですすりあげる焼きそばである。だが、口にいれたとたん、因習も偏見も葬り去られ、新たにつくり変えられた世界が現前していた。その世界は、奥ゆかしさによって秩序づけられている。すべてのものが僕にむかって微笑んでいる。

 

 

味つけが濃くない、素朴な味です。

やはりsideはEntreeにあわせて、あえて目立とうとしません。そこがかっこいい。野球だったら確実にキャッチャーポジションです。

 

 

ただ、セロリが少しばかり入っているので、苦手な方はこちらも注意です。

 

 

 

エッグプラントトーフ

エッグプラントトーフは、思ってたのと違う(よくない意味で)。

なすと豆腐(揚げ豆腐ですが)が組み合わされていたら、麻婆茄子のような味なのかなと思うじゃないですか。黒酢中心の味で、酸っぱいだけで要点のわからない話を聞いているみたいでした。

 

 

 

ベイジンビーフ

ベイジンビーフは、揚げたビーフとたまねぎ、パプリカで構成されています。

 

オレンジチキンを、もう少し辛くしたビーフ版、という味でした。TSOチキンとキャラが被っていました。

 

 

 

5日目

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Entreeは左から、カンパオチキン、ハニーウォルナッツシュリンプ。

sideは4日目に引き続き、麺です。僕の舌がよほど気に入ったのだとわかります。

 

 

ハニーウォルナッツシュリンプ

ハニーウォルナッツシュリンプ。その名前のとおり、衣をまとったエビの天ぷらと胡桃に、はちみつのソースが絡めてある。その組みあわせに僕は怪訝をかくせないでいたけれど、食べてみると、たちまちに顔がほころんでしまった。しっとり濡れた衣は、予想以上にさくさくとしている。はちみつの甘さは、衣独特の油の香りにきっちりと品格をそえる。甘さとは、退廃だけでは決してないのだ。

 

 

エビマヨみたいだ、といつも感じます。

 

 

ただ、ボウルを頼んで、これとご飯を合わせるは苦しいかなと。基本的にごはんがすすむ味つけではないので。プレートを頼んで、味の濃いEntreeひとつ、ハニーウォルナッツシュリンプひとつを選ぶのが最適です。

 

実はハニーウォルナッツシュリンプ、1.25$増しにかかるのですけど、アメリカだからでしょうか。

 

 

カンパオチキン

カンパオチキンは、ズッキーニ、チキン、パプリカ、ピーナッツ、ねぎ、唐辛子がはいった炒め物です。

 

味に特徴的なものがないので、同じ系統ならば、マッシュルームチキンのほうが好きですね。

 

 

 

6日目

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こちら、ボウル(1ご飯1おかず)になります。

Entreeは、スイートファイアチキンブレスト、sideは、フライドライスです。

 

 

 そして残念ながら諸事情により、亀の舌はおやすみです。

 

 

スイートファイアチキンブレスト

スイートファイアチキンブレストには、たまねぎ、パプリカ、チキンの揚げたもの(チキンナゲットに近い)。そしてパイナップルが入っています

 

 

唐辛子が入っているのでピリ辛に見えますが、印象としては甘い味つけです。他のEntreeとの差別化はできていません。チキン系いっぱいありますし。

 

 

あと、パイナップルが入っている料理が好きではない方にはオススメできません。

 

 

まとめ 

 個人的なオススメ。

 

 

1位…マッシュルームチキン

2位…ブラックペッパーチキン

3位…オレンジチキン

4位…ハニーウォルナッツシュリンプ

5位…ブロッコリービーフ

 

Sideは、圧倒的にチャオメンが好きでした。日本上陸で、どこまで日本風にアレンジされるのかは分かりませんが。

 

 

 

『パンダエクスプレス』好きですし、僕は迷ったら『パンダ』食べます。日本のお店だったら、リンガーハットくらいの安心感があります。個人的には。

 

 

 

 

以上、アメリカからの中継でした。

 

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亀の舌がまた炸裂しました。


メシウマじゃないときもあります。