『ママと恋に落ちるまで』が英語学習に最適すぎる【How I met your mother】
『博士の異常な愛情』という映画を知っているでしょうか?原題を"Dr. Strange love"といいます。映画中にでてくる「ストレンジラブ博士」というひとの名前がそのまま原題になっています。
それに対しての邦題。全てを直訳して、「博士の異常な愛情」としたわけですね。村上春樹さんの「きゅうりのようにクール(cool as a cucumberという慣用句)」を彷彿とさせますね。
僕はもうこれほど素晴らしい邦題はないと思っています。
さて。
『ママと恋に落ちるまで』という米TVドラマシリーズを知っているでしょうか?
「なにそれ?米TVドラマって、フレンズとかロストとかプリズンブレイクでしょ?」
はい、失礼しました。
『ママと恋に落ちるまで』は、原題は"How I met your mother"
邦題だけ聞くと、ちょっと陳腐です。TSUTAYAのコメディの棚にポップなタイトルデザインで並べてありそうです。
しかしあなどるなかれ。アメリカの大学生は、英語の勉強に"How I met your mother"を勧めてきます。というかアメリカでは大人気シリーズです。シーズン9まで続きました。
僕もおかげさまで、リスニングや会話表現がものすごく磨かれました。英語学習なら"How I met your mother" 激オシです。
前置きが長くなりました。今回は、"How I met your mother"とはどういう物語か、どこがいいのか、そしておすすめ勉強法について、僕の経験を交えて紹介していきます。
- "How I met your mother" 『ママと恋に落ちるまで』とは?
- "How I met your mother" をアメリカ人に勧められる
- "How I met your mother" の3つの魅力
- テレビドラマでの英語学習法
- まとめ
スポンサーリンク
"How I met your mother" 『ママと恋に落ちるまで』とは?
(出典:The 14 Best Running Jokes of How I Met Your Mother | Her Campus)
ざっくりいうと、主人公のテッドが、お嫁さんと出会うまでの話。たしかに、『ママと恋に落ちるまで』という題は間違っていません。
2030年のある日、テッドは息子たちに、彼らのママ=お嫁さんとの馴れ初めを延々と語りはじめます。 物語自体は、2005年のニューヨークからはじまります。つまり、結婚している「今」から、お嫁さんと会うまでの「過去」を振り返っている設定です。
ストーリーの軸が、「将来のお嫁さんと出会う」部分にあるので、当然、恋愛要素が強くなります。そんな男女のテレビコメディなので、『ポスト・フレンズ』と呼ばれています。
1シーズン24話構成で、9シーズン続きました。
"How I met your mother" をアメリカ人に勧められる
留学初日にダンシングして次の日14時までダウンしたアカガメ。起床後、突発性のカルチャーショックに襲われながらも、リスニングをはやく上げなければと、とりあえずNetflixに登録。
"フレンズ"を観はじめました。
英語学習界隈ではかなり有名だったので。フレンズ勉強法だってありますし。
(出典:Watch フレンズ Online | Stream on Hulu)
しかしすぐに違和感を抱きます。
ちょっと、古くないか?
それもそのはず、フレンズは1994年からはじまったTVドラマ。演出に年季が入っています。会話表現に関しても、今では使うことのない表現がたびたび。
そこで「英語の勉強になって面白いドラマない?」とルームメイトに尋ねてみました。彼らに勧められたのが"How I met your mother"です。
"How I met your mother" の3つの魅力
1. ストーリーが面白い
英語学習は「どれだけ楽しんで学べるか」がカギです。そうじゃないと続けられません。"How I met your mother" はストーリーが抜群。飽きがきません。
日本にいたころ、僕は脚本を書いたり、映画を撮ったりしていたので、ストーリーには厳しいです。その僕の目からしても、"How I met your mother"はおもしろい!とくに、1話1話のストーリー構成と、シーズンの構成。
ストーリー構成
主人公のテッドが、未来視点から物語を語っています。この視点をとっているので、過去の時間軸を自由自在に動かせるんですよね。話を面白くするために、出来事の時系列が入れ替わっていたり、事実のように語っていた話があとでただの妄想だとわかったり。
例えば、シーズン1の第10話に"Pineapple Incident"というエピソードがあります。
バーでテッドが調子にのって5杯たてつづけにショットを呑むと、気づいたら朝。自分のベッドに裸になって寝ていました。枕元にパイナップルが置いてあるわ、隣には女が寝ているわ。テッドは、友人たちに昨夜の話を聞いていくことで、徐々に出来事を思い出していきます。
『ハングオーバー』という映画と同じ構成ですね。こういった時間軸の操作が、僕たちを飽きさせません。
シーズンの構成
シーズンの構成という点でも、どのドラマよりも抜きん出ているものがあります。
伏線の張り方がうまいので、エピソードが進んでいくごとに「あ、これがここにつながるのね!」となります。コメディドラマでは珍しい。シーズンが進むにつれて、キャラの関係性や職業が変化していくのも、もちろん醍醐味です。
2. キャラクター造形
メインキャラクターは5人。どの登場人物もしっかりキャラ立ちしています。そのなかでも脳裏に焼きつくレベルのキャラがいます。
ニール・パトリック・ハリス演じる、バーニー・スティンソンです。
(出典:The Life and Times of Barney Stinson)
普段からスーツ姿で、ナンパが趣味のプレイボーイ。"How I met your mother"の盛り上げ役です。
やっていることがめちゃくちゃです、ほんとに。でも踊れるし歌もうまいんですよ(ドラマ中にときどき歌います)。“Legendary”などの名言も生み出しています。
エミー賞という、米テレビ番組のアカデミー賞みたいなもので、助演男優賞をとりました。ニール・パトリック・ハリス、実際のアカデミー賞の司会もしています。僕にはもうバーニーにしかみえません。
シーズンが進むにつれて、キャラクターの持ちネタが固定化されていくのも面白いです。テッドが建築オタクであることや、他にもカナダ人いじり等々… アカガメでいったら凡庸、みたいなキャラが定着していくと、観ているこちらも愛着が湧いてきます。
3. リスニングに最適
留学中、必死にこれを観つづけたら、自然とルームメイトの会話が聴きとれるようになっていました。
"How I met your mother" のキャラクターはみんな発音がきれい。スピードも早すぎません。(もちろん最初はなにいっているかわからないですけど)
発音がきれいというのはリスニング学ぶうえでは重要です。洋画でリスニングを鍛えようとなると、英語の訛りが強すぎてなにを言っているのかわからないことがよくあります。
ネイティブの会話表現も盛りだくさんです。I’m in. や Big a deal. とか、いろいろでてきます。1話25分なので、繰りかえして観るのにも、会話表現をメモしていくのにも耐えられます。
テレビドラマでの英語学習法
僕が実際にリスニングに効果があったテレビドラマ学習法を書いてみます。そのほうがある意味参考になるかと思いまして。
最初のうちは1日でひとつの話を3回観ました。まずは字幕なしで観て、次に英語字幕、最後にもう一度字幕なしで。最悪、3回目は観なくてもよいです。それで気になった会話表現はメモして意味を軽く調べます。
こんな感じです。字が汚すぎるのは愛嬌です。それから何日間かメモ見返せば完璧です。
会話のすべての意味を理解できるわけはないです。ところどころアメリカ文化の文脈理解をしないとわからないところがあります。話のだいたいの筋が終えたらよしです。
留学して3週間で、なんとなくリスニングが伸びたかな、と感じました。2ヶ月観ていると、言っている内容の60%はわかるようになります。もちろん、毎日観ているわけではありません。アカガメは意志とスケジュール管理に弱いのです。
字幕なしで最初みて、話の筋が追えるようになれば、そこからはどんどん観ていけばよいです。なにしろ9シーズンあるので、観ているうちに自然と英語が聴けるようになってきます。
慣れたら、1日3話、4話と観ることができるようになりました。
まとめ
・"How I met your mother"は邦題で損しているけど観るべき
・英語学習者にはうってつけのTVドラマ
"How I met your mother"『ママと恋に落ちるまで』、オススメです。
個人的にはシーズン2がベストです。ストーリーの構成が凝りに凝っています。シーズン2の終わりまで観たら、邦題でいかに損しているかが分かるようになるでしょう。
Netflix契約しているなら、今すぐ観てみてください。
もっと手軽な英語学習はこちら。
留学初日にダンシングしてダウンした話はこちら